脳マッサージ整体は不眠だけでなくストレスによる慢性疲労も治る

震災によるストレスも

ストレスがある一定以上を超えると、「休んでもだるい」「すぐに疲れてしまう」といった症状の現れることが少なくありません。
こうした症状は、医学では慢性疲労と呼ばれています。慢性疲労は、強すぎるストレスによって脳の働きが低下し、全身も不調に陥るために起こると考えられています。

慢性疲労は本人も自覚していないことが多く、不眠や鬱、神経症といった病気の原因になることもあります。

ストレスを一掃して慢性疲労を解消するために、さまざまな方法が試されています。

そうした中、東日本大意災の被災地におけるホメオストレッチ(脳マッサージ整体)の有用性を、専門家と共同で調査しました。今回の調査では、東日本大震災による被災地を援助する社会福祉協議会の職員を中心とした別人を対象に、脳マッサージ整体を行い、その前と後の疲労状態の変化を劫調査しました。

調査では、「VAS法」という評価法で、疲労感・いらいら感・不安感・緊張感の4項目につき調査を行いました。

例えば、疲労感の調査の場合、最大の疲労感を感じる状態を100とし、全く疲労を感じない状態を0とします。そのうえで、現在の自分がどの程度の疲労を感じているかを数値で答えてもらいました。

数値が20以上の人は疲労感のある状態、50以上の太はかなりひどい疲労状態と判定されます。脳マッサージ整体を行う前は、男性の平均が52.8、女性の平均が57.3と疲労度が大変に高い状態でした。

職員の中には、家族や家を失いながらも、ほとんど休まずに援助活動を続けている人も多いため、この結果も当然と思われます。ところが、脳マッサージ整体を1回行ったあとに再び全員の疲労感を確認したところ、男性の平均が33.7、女性の平均が33.3と、大幅に改善が見られたのです。

さらに、疲労感だけでなく、イライラ感・不安感・緊張感といった項目でも、明らかな改善傾向が見られています。

今回の調査では、脳マッサージ整体を1回行っただけで、疲労感・イライラ感・不安感・緊張感が大幅に改善されました。脳マッサージ整体を毎日継続的に行えば、さらに大きな改善効果が期待でき、不眠を招く慢性疲労の解消にもおおいに役立つでしょう。

脳マッサージ整体などのホメオストレッチの効果は科学的な方法で確認されていますが、まだ全容が解明されたわけではありません。
とはいえ、脳と密接に結び付く背中の筋肉を刺激することで、不眠や慢性疲労、鬱などの症状に驚くほどの効果を発揮することは事実です。

脳マッサージ整体の脳疲労効果は効果大

病院の外来にも採用されるほどの効果

ストレスを消して脳の疲れを取り、不眠を強力に解消する「ホメオストレッチ(脳マッサージ整体を含む、脳を刺激する運動法」は、最近では全国各地で大きな注目を集めています。

それに伴い、公立病院や学校、福祉施設でも脳マッサージ整体を取り入れるようになってきました。また、多くの一般企業も脳マッサージ整体に興味を持ちだしているようです。というのも、ストレス社会と呼ばれる現代では不眠を伴うウツ病で悩む会社員が激増しており、多くの企業がその対策に頚を悩ませているからです。

企業でウツ病による休職者が増えれば、そのまま人材の損失となります。ストレス対策の導入は急務どこも躍起になっているのが現状です。

では、脳マッサージ整体が実際に導入されて、効果をあげている例です。

まず、医療現場です。入院患者に脳マッサージ整体を施したら、不眠やイライラ、認知症の改善が確認されました。こうした例がたびたび見られたため、脳マッサージ整体を導入したリラクセーション外来が問設されたのです。

リラクセーション外来では、左右の足の長さや体の緊張度、体のゆがみなどをもとにストレス状態を数値化。これをもとに、外来に適う患者さんの回復を確認しながら治療を行います。

リラクセーション外来を訪れた患者さんの多くは、3回ほどで脳マッサージ整体の効果を実感できているようです。次は、教育現場です。ある小中学校が生徒493人に脳マッサージ整体を実施したところ、児童のストレス軽減効果が見られました。毎朝脳マッサージ整体を行うことで心身がリラックスし、その後の授業やテストにも集中し、落ち着いて取り組めるようになっています。

また、ある公立小学校では5年間に保健室を利用した児童脳マッサージ整体を実施しました。保健室を訪れた児童は頭痛・腹痛・気分不良といった症状を訴えていましたが、なんと95%の児童が元気に教室に戻ることができたそうです。

このように、医療や教育の現場で脳マッサージ整体の導入が増えれば、今ぬ上国民病ともいえる不眠も徐々に減ってくるのではないでしょうか。

企業の休職率も減少

脳マッサージ整体は、大企業でも従業員のメンタルヘルス(心の健康を守る目的で、続々と採用されています。例えば、大手企業健康管理センターの産業医(企業などで労働者の健康管理を行う医師)の管理のもと、長時間労働者に対して脳マッサージ整体を行ったところ、「爽快感のなさ」「抑うつ感」「疲労感」「不安感」の改善に効果が見られました。

また、燃えつき度(仕事に打ち込みすぎて疲れてしまった状態を示す数値。バーンアウトスコアという)の数値が高い人たち27人のうち、25人(82.5%)の数値が低下しています。
さらに、ウツ度の高い人たち27人のうち、15人(5.6%)に改善効果が見られました。

次は、大手メーカーの傘下のシステム問発会社A社の例です。従業員数5000名のA社は、そのほとんどがSE(システムエンジニア)職ですが、休職率が2%(100人以上)を超えている状態で、その改善が効果的でした。

背中の筋肉をほぐすのは背中をそらす

脳のストレスを解消する急所は背中の筋肉で紹介したとおり背中の筋肉のこりや痛みは脳の疲労に影響しています。

筋肉のバランスが不眠につながる

「抗重力筋」が脳との結びつきが強いことを突き止めました。そして、抗重力筋の中でも特に脳と密接に情報をやり取りしている背中の筋肉「脊柱起立筋」を刺激する「ホメオストレッチ」という脳のリラックス法を見つけました。

中でも、腹ばいになって上体をそらす「脳マッサージ整体」は最も簡単に行え、脊柱起立筋をまんべんなく刺激することができます。脳マッサージ整体をやれば重いストレスでも解消され、不思議と不安まで消え、深いやすらぎが得られて不思議なほど不眠の症状が改善します。

人問の体には、常に正常な状態を保とうとする働きが備わっており、これはホメオスタシス(恒常性)と呼ばれます。

例えば、風邪やけがが自然に治るのは、ホメオスタシスのおかげです。そして、ホメオスタシスの働きによって、全身の筋肉の緊張や弛緩(ゆるむこと)の度合い(以下、筋バランスという) も上手に調節されています。筋肉は、何かの動作を行うさいに脳からの指令を受けて緊張し、力を発揮するのが正常な状態です。ところが、過剰なストレスによって脳に疲れがたまると、筋バランスもくずれて一部の筋肉が緊張したまま、こわばることがあります。こうした筋バランスの乱れは心身のさまざまな不調を招き、ひいては不眠やひどくなると鬱まで引き起こします。

体には

  1. 筋骨格系
  2. 自律神経系
  3. 内分泌系
  4. 免疫系

というホメオスタシスを担う4つの仕組みがあります。
これらの仕組みはふだん、脳によってうまく調節されていますが、脳の活動が弱まると1の筋バランスが乱れるばかりか2~4の仕組みにも異常を来してしまいます。

反対に、筋肉の緊張をゆるめて筋バランスを整えれば、脳の活動が回復し、ホメオスタシス全体の活動も正常化することがわかりました。

脳マッサージ整体は脳と最も密接に情報をやり取りし2ている背中の脊柱起立筋を重点的に刺激し、筋肉の緊張をゆるめます。その結果、ホメオスタシスの働きが高まり、不眠や鬱といった症状が改善するものと考えられます。

ただし、脳マッサージ整体は、手や足の力を用いて骨格を矯正する「整体」とは、全く異なります。全身の筋バランスを整える技術という意味で、便宜的に整体という名称を使っているにすぎません。物理的な力を用いるのではなく、あくまで脳の疲れを取ることで全身の筋肉の緊張をゆるめ整える方法であることを理解したうえで行ってください。

就寝前が効果的

脳マッサージ整体のやり方は、次ページで紹介します。ひとつずつの動作をゆっくりと行いますが、すべての動作を行うのに3分程度しかかかりません。呼吸法が適切でないと、十分なリラックス効果が得られません。息を吸いながら上体を起こし、息を止めて10砂問静止したあと、脱力しながら息を吐きます。脱力するときは、一気に力を抜くようにしましょう。

不眠の際に自律神経訓練法と呼吸法がありますが、これも緊張をとくための方法のひとつですが、脳マッサージを追加して脳の筋肉をさらにほぐすことを加えています。
不眠の症状が強い人には是非おすすめです。

脳マッサージ整体は、夜、就寝前にに行うようにします。特に、眠っても疲れが取れない人や、すぐに寝つけない人は、布団の中で脳マッサージ整体をやれば、すぐに熟睡できるでしょう。

余裕のある人は、脳マッサージ整体と併せて「足指回し」も行うと効果的です。足指回しもホメオストレッチの1つで、脳のリラックス効果が非常に高いことがわかっています。

やり方は、左右の足の指を、親指から小指まで1本ずつ、手の指でつまんでゆっくりと外回りに40回程度まわすだけです。

脳マッサージ整体は夜寝る前に行いますが、足指回しは朝でも昼でもいつ行ってもいいでしょう。例えば、昼に足指回しを行って、その後に少し昼寝をするのもいいでしょう。

脳の疲れが取れてリラックスでき、夜も質のいい睡眠が得られるはずです。脳マッサージ整体と足指回しを日課にすることで、脳がマッサージされているような快感がわき、ストレスも解消していきます。速効性も抜群なので、早ければ2~3回で心身のリラックス効果を実感できるでしょう。

毎日行えば、不眠ばかりか慢性疲労や鬱の改善も期待できます。実際に、脳マッサージ整体や足指回しなどのホメオストレッチによって、不眠や鬱、神経症などが軽快した人も続出しています。

脳のストレスを解消する急所は背中の筋肉

背中の筋肉をほぐせば脳のストレスがとれる

筋肉の緊張をほぐすと脳のストレスが解消するしくみについてです。筋肉には、体の動きを調節するという重要な働きがあります。体の動きはすべて、脳から出された命令が、神経を通じて筋肉に伝わることによって起こるのです。
その一方で、体を動かすと筋肉からの情報が神経を通じて脳に伝わります。つまり、脳と筋肉は密接に結びついているといえるのです。

脳には、体の動きを担う運動野という領域がありますが、体を動かすと、運動野だけでなく、脳の幅広い領域が刺激されることも明らかになってきました。

例えば、運動をすればホルモンの分泌を調整するる脳下垂体という部位が刺激され、活発に働くようになります。心身をリラックスさせる役割は、副交感神経という自律神経の一つが担っています。筋肉の緊張をほぐすと、副交感神経の働きが活発になり、それが脳にも快感を与えてストレスが解消するのではないかと考えられます。

脊椎起立筋には赤筋が多い

筋肉にはさまざまな種類があり、大きなものから小さなものまで600種を超えます。中でも脳と深くかかわっているのは「抗重力筋」です。抗重力筋には、背中にある脊柱起立筋や肩にある僧帽筋、お尻にある大殿筋、太ももにある大腿二頭筋、くらはぎにあるヒラメ筋などがあります。抗重力筋は、直立歩行するときに姿勢を保つのが主な役割です。
抗重力筋が発達しているのは生物の中でも人間のみ。というのも、直立歩行できる生物は人間だけだからです。

直立歩行するには、重い頭を支えなければならず、体のバランスが不安定なので、人問は進化の過程で抗重力筋を発達させてきたのです。さらに筋肉には、主に日常の動作をするときや姿勢を保つときに使われる赤筋と、主に大きな力を出すときに使われる自筋があります。
そして、抗重力筋は大半が赤筋です。自筋は、脳の命令で働くことが多く、脳に情報を送ることはあまりありません。ところが、赤筋は常に使われているため、脳と頻繁に情報をやりとりしています。
つまり、抗重力筋を使えば、それだけ脳が強く刺激されるのです。そのような抗重力筋の中で、脳の働きにとって最も重要なのは、脊柱(背骨)を取り囲んでいる脊柱起立筋といえるでしょう。脊柱は、頭や上申丁身を支える人体の大黒柱。それに加え、手足などの骨も支え、全身の姿勢を保っています。その脊柱を支えて守り、正しく動けるように助けているのが脊柱起立筋なのです。

脊柱起立筋には、人間の体の中で最も多くの赤筋が集まっています。そのため、脊柱起立筋を刺激すれば、脳との情報のやりとりが激増すると考えられます。こうした考えに基づいて考え出されたのが、前の記事でも紹介したホメオストレッチです。

ホメオストレッチは、バランスセラピーの技術取得者を入れた2人組で行うのが基本。相手の脊柱起立筋や尤もも・お尻などの抗重力筋を、手でゆっくりと規則的に押して刺激するのです。
ホメオストレッチを2人1組で行うのには理由があります。人間には、ほかの人と触れ合いたいという欲求があります。相手に身を任せることによって孤独感がいやされ心身がリラックスするのです。できれば、ホメオストレッチは毎日行うことが肝心。そこで、私たちはホメオストレッチを1人で行うやり方「脳マッサージ整体」を考案しました。

不眠で悩む人は過剰なストレスによる脳疲労が原因になっているケースが多い

さまざまな不安が不眠の原因となる

最近、「寝つきがよくない」「夜中に何度も目覚めてしまう」「睡眠時間を十分なはずなのに体がだるい」といった、不眠の悩みを抱える中高年が激増しています。

不眠の主な原図は、体内時計を狂わす夜型の生活、過剰なストレス、運動不足などがあげられます。そして中高年の不眠の場合、 その大半に見られる原因が、過剰なストレスです。

年を重ねると、若いころにはらくにできた動作や作業ができなくなったり、自分の将来や健康に対する不安、子供の将来に対する不安などを抱えたりすることが多くなります。もちろん、不安そのもので私たちは眠れなくなるし、そうしたことが積み重なった結果、中高年の人は大きなストレスを抱えるようになるのです。それでなくとも、現代は「ストレス社会」と呼ばれるとおり、生活環境や仕事場噴から毎日のようにストレスを受けているものです。

こうしてストレスが過剰にたまってしまえば、不眠ばかりか鬱、神経症といった病気にまで陥る危険性が高まるのです。

通常、ストレスが加わると、自律神経(意志とは無問係に内臓や血管の働きを支配する神経)やある種の分泌物(ホルモン の機能を統合する中枢である「脳幹」がまず感知します。
すると、内臓の働きが活発になったり、体に必要なホルモンが分泌されたりするようになり、免疫力(病気から体を守る力)も強まり低下したりします。つまり、脳も体も休む時問がなくなり、不眠に陥ったり、ウツやだるさなど、さまざまな体の不調を招いたりします。

こうしたことから、不眠やウツなどの症状を改善するには、まず最初にストレスを取り除いて、脳の疲れを解消する必要があるわけです。

筋肉を緩めると脳が元気に

ストレスを軽減するためには「悩まないようにしましょう」とか「できるだけリラックスしてください」などと脳が疲れている人にいっても、簡単にできるものではありません。

では、ストレスを消して脳の疲れを取るためには、どうするのがいいのでしょうか。その筈えは、意外なところにありました。ストレスを退けるためには、なんと筋肉をゆるめることが最も簡単ですぐに効果が現れる方法だとわかったのです。

実は、脳と筋肉は密接な関係でつながっています。みなさんは、体を動かすことと脳を使うことは別物と考えているのではないでしょうか。ところが、運動を担う筋肉と知的活動をつかさどる脳は、切っても切れない問係にあります。例えば、満神的なショックを受けたとき、体がふらついたり手足がこわばったりしたことがあると思います。

こうした事実は、脳と筋肉が密接につながっているあかしといえるでしょう。こうした筋肉と脳の問係に着目し、独自に紺発したのが「バランスセラピー」というリラックス法。
これは、筋肉から脳への刺激によって、全身を無意識のうちにリラックスさせる方法です。

その1つに、筋肉の緊張をほぐして脳を活気づける「ホメオストレッチ」というリラックス法があります。ホメオストレッチは、ストレス解消の効果が大きく、慢性疲労や鬱の改善にも大いに役立ちます。
特に、ホメオストレッチの1つ「脳マッサージ整体」を試した人からは、「寝つきがよくなり朝まで熟睡できた」「ストレスや疲労感が解消された」「沈みがちだった気分が南前向きになった」といった声が次々と寄せられています。

快眠3ポーズで寝付きの悪さ、早朝の目覚めも解消

無理をせずにできる範囲で

不眠で悩んでいる人には「快眠3ポーズ」をすすめています。その結果、不眠が改善するとともに、やる気を取り戻し元気になる人がたくさんいます。

ある50代後半のは、40歳のころから不眠に悩んでいました。夜、床に就いても寝つけず、やっと寝たと思っても深夜や早朝に目が覚め、全く眠れない日もあったといいます。眠れないと、仕事や家のことを考えたり、「眠らなければ」と焦ったりして、よけい眠れなくなったのです。
睡眠外来で睡眠薬をすすめられましたが、薬がいやで飲みませんでした。毎日同じ時刻に起床したり、寝る前に運動を行ったりしても、あまり効果がなく、長続きしなかったそうです。

生体リズムに基づく快眠3ポーズを説明し、できることから試すようにすすめました。この方は、まず朝起きたら5分問、日光を浴び、次に職場の昼休みにイスに座ったまま5分問、目を問じるという2ボーズを実行しました。

快眠3ボーズではもう1つ、夕方に5分問、姿勢をよくするか体を動かすのですが、普段、会社勤めの人はそれを毎日はできません。そこで、休日の夕方だけ、散歩をしたり、家の中で背すじを伸ばしたりしてもらいました。

そして約2週間後には寝つきの悪さや早朝の目覚めが減り、約1ヶ月後には毎日、熟睡できるようになったといいます。

病気による不眠も改善した

ある50代のパーキンソン病で手足の動きが.悪くなり、リハビリを続けています。パーキンソン病は神経性の病気の1つで、不眠を招く原因にもなります。

寝つけない、朝日覚めにくいといった症状が出ていました。そこでこの方にも快眠3ポーズを実践してもらいました。まず、曇りや雨の日も朝早いうちに家族にカーテンを問けてもらい、脳に光が届くようにしました。
また、夜は室内の照明を暗めにしてもらったところ、1週間で不眠が改善されました。。さらに、昼は5~6分問、イスに座って目を閉じてもらい、夕方には、リハビリで指導した背中の筋肉を動かす訓練をやってもらい、できないときはイスに座って姿勢をよくしてもらいました。そして数ヶ月たつと、不眠症状はかなり軽快しました。さらに、リハビリへの意欲が高まり、症状の進行も抑えられています。

快眠3ポーズは起床したら日光を浴び、昼ま目を5分閉じ、夕方は背筋をのばす

体内時計も正常に

具体的に快眠3ポーズのやりかた。これは、脳や体に備わっているメラトニンリズム、睡眠・野際リズム、深部体温リズムを整え、不眠を改善する簡単な方法です。やり方を見ていく前に、3つの生体リズムに基づく睡眠の法則についてです。

まず、メラトニンリズム。脳内にあるメラトニンという睡眠物質は、基本的に夜9時ごろから分泌猷が盛んになって眠気を促しはじめ、朝に光を感知すると減少して目覚めやすい状態にします。つまり、朝に日光を浴びてメラトニンを減らすことが重要で、すると夜にはメラトニンが増え、寝つきがよくなるのです。

日光を浴びると脳内の体内時計が出発点になって正確に時が刻まれるしくみになっています。朝起きて光を浴びてメラトニンを減少させれば、眠り時計がリセットされます。

ただし、正常にリセットされるのは、起床から4時問までです。次に、睡眠・覚醒リズムは、脳の働きを保つために大脳を積極的に眠らせるしくみです。これは、起床から8時問後と2時問後の、1日に2回発動します。

起きている問にメラトニンをはじめ、さまざまな睡眠物質が脳内にたまります。そして、睡眠物質が増えるほど脳の働きが低下します。
仕事のミスや事故などが増えるのは睡眠物質がたまるからです。

そこで、たまった睡眠物質を減らし、意欲的に脳を働かせるには、睡眠・覚醒リズムの乱れを正すことが重要になります。それには、昼2時ごろに仮眠(ただし30分以内)をとるといいのですが、仕事場などではなかなかそうもいかないでしょう。しかし、イスなどに座って目を問じるだけでも効果があります。

目を閉じる効果は、時問の長さによって異なり、10~15分が理想です。とはいえ、目を閉じて根から入る情報を遮断し脳を休めることが大切なので、5分でも目を閉じることをおすすめします。

深部体温リズムは、起床から11時問後に最も高くなり、2時問後に最も低くなります。人は、深部体温が高くなればなるほど体がよく動き、下がるほど眠くなります。不眠で悩む人の多くは深部体温リズムが乱れていて、本来は深部体温が下がっているはずの時問常に体温が上がった状態で床に就くため、寝付ききが悪くなるのです。そこで、体温が高まるピークに当たる夕方に、軽い運動や姿勢をよくする動作で筋肉を使い、深部体温をきちんと上げておくことが重要になります。

朝・昼・夕に3回だけ行う

以上のような3つの生体リズムを、生活行動に置き換えてみると、次のような睡眠の法則が成り立ちます。それは「起床から4時問以内に日光を浴び、6時問後に目を閉じ、6時問後に姿勢をよくする」ことです。
この法則を、それぞれの時問苛に、わずか5分ずつで行える簡単な動作にしたのが「快眠3ボーズ」。具体的には、次の動作を行います。

快眠3ポーズ

  1. 朝=起床後4時間以内(朝6時起床なら午前川時ごろまで)に5分間、日光を浴びる(メラトニンリズム)。
  2. 昼=起床6時間後(朝6時起床なら昼のほ時ごろ)に5分間、目を閉じる(睡眠・覚醒リズム)。
  3. 夕方=起床から11時間後(朝6時起床なら夕方5時ごろ)に5分間、イスなどに座って姿勢をよくする(深部体温リズム)。

以上の快眠3ボーズは、どれも実に簡単。5分ずつやるだけなので、誰でも可能です。
忙しい人は、最初のうちは自分の生活の中で乱れていると思われる生体リズムを正すポーズだけを行ってもかまいません。2~3週間続ければ、
自然にほかのボーズも実践しやすくなるはずです。生体リズムが正されるまでには、早い人でも2~3週間はかかります。ただし、いったん正されると、以後、よい生体リズムが保たれるでしょう。寝つけない、寝ている途中で日が覚めるなど、慢性的な不眠に悩む人だけでなく、日中に仕事がはかどらないといった人も、ぜひ、快眠3ボーズを実践してみてください

体内時計の狂いは1日3回の「快眠3ポーズ」

リハビリの成果が続々出る

人問の生体リズムには睡眠・覚醒リズム、メラトニンリズム、深部体温リズムがあります。これら3つの生体リズムは、互いに同調し合って、眠りや目覚めの自然な流れを作っています。

例えば、一定の時間が来ると眠くなり、ある程度の時問眠ると目覚めますが、これには3つの生体リズムがうまく同調し合うことが不可欠です。しかし、3つの生体リズムのいずれかが乱れてリズムの調和が′ヽずれると、睡眠が浅くなったり、昼間もウトウトと眠くなったりしまそして、この状態が長く続くと、慢性的な不眠症に陥ってしまいます。ですから不眠の解消には、起床時間などの生活習慣を見直して、3つの生体リズムの乱れを元に戻し、互いに調和させていく必要があります。

とはいえ、いきなり生活習慣を見直すのは難しいかもしれません。そこで、3つの生体リズムの乱れを効率よく正すために、私が考案した「快眠3ポーズ」がとても役立ちます。これは、朝・昼・夕の1日3回、ある動作を5分ずつ行う簡単な方法です。

昼間に10分間、横になって目を閉じるのです。すると、たったそれだけのことで、心や体の緊張が緩み、仕事にもやる気がわいたという人が続出したのです。

このときやる気を引き出すには、脳も体も休めるヽ質のいい睡眠をとることの重要性に気づきました。そして研究の結果、3つの生体リズムによる睡眠の法則に基づいた、快眠3ボーズを考案したのです。実際、快眠3ボーズを実践した方たちの中には睡眠に不安を持っていた人たちの不眠が次々に改善。生きがいや仕事への意欲を持てるようになった、という人もおおぜいいます

不眠には脳内の「眠り時計」の狂いを正す

体内時計=眠り時計

不眠を解消したい、睡眠の質を改善して仕事もばりばり行いたい! このような悩みを持っている人は、睡眠時問の長さや、グッスリ眠るための方法など、眠ることばかりに神経質になりがちです。しかし、眠っている時間があれば当然、起きている時間問もあり、2つは常に連続しています。

睡眠をうまくコントロールするには、眠ることと同時に、起きている時間常にも気を配るべきです。そこで、まずは眠りと目覚めをもたらす生体リズムについてです。

人の脳と体は、時問とともに規則性のあるリズムを刻んでいます。これを生体リズムと呼び、1日の流れを作っています。そして、生体リズムが作り出す時計のようなしくみが「眠り時計」(正式には「体内時計」という) です。

眠り時計は、脳の視床下部しという部位の中にある視床下部が担っています。この眠り時計によって、体は、一定の時間がくると眠くなり、ある程度の時問眠ると目覚めるという、自然な眠りのリズムを毎日くり返しているのです。

ところが、深夜まで起きていたり、休日に昼近くまで眠っていたり、仕事や人問関係でストレスがたまったりすると眠り時計のリズムが乱れ、眠くなるタイミングがずれて寝つけなくなってしまいます。

また、海外旅行などで昼と夜の時問がずれても、眠り時計のリズムが乱れて寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりします。こうした眠り時計の狂った状態が長く続くと熟睡できずに、不眠を招くことになるのです。

少し専門的になりますが、眠り時計のしくみです。眠り時計の1日の長さは人によって多少違いますが、約25時問周期で刻まれます。
ところが、地球の自転による1日は24時間なので、両者には1日約1時問ずつのずれが生じます。しかし、人間の脳には、眠り時計を24時間周期に合わせて活動できる機能が備わっているのです。

例えば、起床後に日光を浴びると、1日のスタートが1時問早まり、体内時計がリセットされるので、毎日規則正し生活を送ることができます。それとは反対に、何らかの原因で眠り時計が狂ったままだと、不眠などの睡眠障害が起こるわけです。

体内には、季節や生活環境の変化などに合わせて体の状態を一定に保とうとする機能もあります。これを、ホメオスタシス(生体恒常性)といいます。例えば、夏に気温が上がったり、冬に気温が下がったりしたとき、体はそれに順応できるように放熱や保温をして体温を一定に保とうとします。これも、ホメオスタシスという機能の1つなのです。

実は、眠り時計とホメオスタシスがきちんと作用しなければ、生体リズムが乱れて睡眠の貿が低下し、不眠を招きやすくなります。

睡眠に関連している生体リズムは3つ

体には、さまざまな生体リズムがあります。体内のあらゆる臓器が一定のリズムを刻んでいるといっても過言ではありません。中でも日常生活で私たちが自覚しやすく、睡眠に深くかかわっているのは、「眠り・目覚めのリズム(睡眠・覚醒リズム)」「メラトニンリズム」「深部体温リズム」の3つです。

睡眠・覚醒リズムとは、眠り時計が刻む1日の周期の中でも、脳の働きを維持するために、大脳を眠らせ、しつかり休ませるシステムです。

脳には、判断や優先順位を決める「大脳」と、睡眠に導く神経がネットワークを作る「脳幹」という部位があります。そして、脳幹の睡眠に導く神経が働くと大脳が眠り、翌日の働きに備えます。

そして、この大脳を眠らせるシステムが強く働く時間帯は、起床から8時問後と2時問後の2回。例えば、朝6時に起きた場合、 午後2時と明け方4時が最も眠くなる時間帯になるわけです。

メラトニンリズムは、睡眠を促す脳内物質であるメラトニンが増えたり減ったりするリズムです。

メラトニンは、日光を感知すると減少し、夜暗くなると急遜に増加するという特徴があります。昼問はメラトニンがほとんど分泌されませんが、基本的には夜の9時ごろから分泌が盛んになり、夜の‖時ぐらいに眠気を誘いやすくなります。眠ってから3時間後に分泌がピークになり、朝方には減少して目覚めやすい状態になります。

深部体温リズムは、体内の深部(内臓)の体温が変化するリズムのことで、起床から11時間後に最も高くなり、222時間後に最も低くなります。例えば、朝6時起床の場AR深部体温は夕方5時に最も高くなり、早朝4時に最も低くなります。

これら3つのリズムは互いに同調し合っており、その調和がくずれると、不眠を招きやすくなります。不眠の解消には、これらのリズムの乱れを起きている時間常に正すことが肝心です。

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不眠は、肥満、高血圧、糖尿病、心臓病まで招く

不眠は脳へのダメージが大きい

不眠にも、軽度のものと重度のものがあります。眠れない日が1週間に3日以上あり、それが1ヶ月以上続くと慢性不眠と考えられます。こうした重い不眠はもちろんのこと、たまに寝つけない日が続く軽い不眠でも、軽視してはいけません。なぜなら、不眠の本当の原因にはウツ病が隠れていたり、脳の衰えを早めて認知症(ボケ)を招いたりすることがあるからです。
睡眠には重要ないくつかの役割がありますが、特に大切なのは「脳と体を休める」「脳と体の壊れた細胞の修復・再生」という働きです。睡眠には、体を休める「レム睡眠」と、脳を休める「ノンレム睡眠」があります。この2つが交互に現れることで、脳も体も休める「質のいい睡眠」が得られるのです。

レム睡眠では、体は休んでいるものの脳の一部が働いていて、記憶の整理など情報処理をしています。レム睡眠は、浅い眠りといわれます。
一方、ノンレム睡眠は、脳が眠る代わりに、体は成長ホルモンの胱献や免疫機能を働かせて疲れを解消します。ノンレム睡眠は、深い眠りといわれます。
ふつう、人間は90~110分の周期で、レム睡眠とノンレム睡眠をひと晩に4〜5回くり返しています。若いときは寝ついた最初の周期から深い眠りに入りますが、高齢になればなるほど深い眠りに入りにくくなったり、深い眠り自体がなくなったりします。

睡眠中は、このように脳と体を休ませると同時に、壊れた細胞の修復や再生が行われます。その役割を担っているのが、成長ホルモンです。これは子供の成長を促すホルモンですが、大人にとっても、細胞の修復や疲労回復を促す役目を持ち、若返りホルモンとも呼ばれています。
この成長ホルモンの分泌が最も盛んになるのが通常、寝ついてからの3時問です。ところが、睡眠時問が不足したり、睡眠が浅かったりすると成長ホルモンが減って、全身の細胞の修復・再生が十分に行われません。この状態が長く続けば脳が衰え、病気も招く危険性が高まるのです。
睡眠の貿が惑いと、脳にダメージを与えて、認知症を招く危険性を高めます。

命にかかわる病気の引き金になる場合も

不眠は、高血圧や糖尿病・脂質異常症・肥満などの引き金にもなります。こうした生活習慣病は、加齢や惑い生活習慣によって起こりますが、その根底には動脈硬化があります。誰でも50蔵前後になると、動脈硬化が進み、それにつれて血圧も上がってきます。特に不眠になると、自律神経のうち、体を活動的にする交感神経の働きが高まります。その状態が続けば、体は緊張しっぱなしになり、慢性的に血圧が高くなるのです。

例え、一晩徹夜をしただ止りで、翌朝の血圧の値がふだんより10mmHgも上がることがわかっています。不眠が続けば血流が悪くなり、血管内に脂質が蓄積されて脂質異常症も招きやすくなると考えられます。また、不眠が続くと血糖値をコントロールするインスリンの分泌量が減るため、糖尿病も招きやすくなります。
実際、糖尿病の患者さんの8潮は、不眠症などの睡眠障害を抱えているといわれています。肥満も、不眠と深くかかわっています。体内では、空腹ホルモンと満腹ホルモンが分泌され、互いにバランスを取って働いています。
不眠になれば空腹ホルモンが増え、満腹ホルモンが減ります。その結果、満腹でもつい食べすぎて太ってしまうのです。さらに、不眠によって交感神経の働きが高まれば、心臓に大きな負担をかけます。そのため、狭心症や心筋梗塞などの命にもかかわる心臓病を招く危険性も高まります。

最近は、睡眠とガンの問係も指摘されています。以上のように、不眠は動脈硬化を進行させ、寿命を縮める病気を招く引き金にもなります。これを防ぎ、健康な老後を迎えるには、自分の体内リズムに合った睡眠をとることが何よりも大切です。