糖質制限食は、余分な塩分の排泄を促し、血圧上昇分泌ホルモンも減少する

高インスリン状態は交感神経優位

もともと糖尿病の方はメタボの人が多いのですが、ちなみに、メタボというのは、内臓脂肪型肥満に加えて高血糖・高血圧・脂質異常を併せ持った状態で、特に日立つのが、糖尿病と高血圧を併発している方です。

高血圧の発症は塩分のとりすぎが原因だと思われがちですが、実は、糖質のとりすぎとも深く関係しています。

糖質をとりすぎて消費しきれないブドウ糖が中性脂肪に変換されると、内臓脂肪や皮下脂肪がたまり、肥満を招きます。すると、糖をエネルギーに変換するインスリンの働きが衰えすい臓常に過剰なインスリンを分泌する「高インスリン血症」になります。

この高インスリン血症になると、体が緊張してアドレナリンが分泌され、交感神経が優位になり、血管が縮小します。しかも血圧を上げるレニン-アンジオテンシン系のホルモンも分泌され腎臓でのナトリウムの排泄が滞り高血圧の原因になります。

糖質制限食は自然に塩分摂取が減る

米やパン、麺といった主食で糖質を多くとっている現代人は、インスリンが過剰に分泌されている傾向にあります。そこで糖質制限食を行えば、体脂肪が減って肥満が改善していき、インスリン抵抗性も改善されます。すると、アドレナリンやレニン・アンジオテンシン系のホルモンの分泌も抑えられます。また、腎臓の働きもよくなりナトリウムの排泄が活発になり、高血圧が改善します。

さらに糖質制限食は、減塩に舶よる降圧効果も期待できます。日本人はもともと、欧米などほかの先進国に比べても圧倒的に塩分摂取量が多く今後さらに厳しく減塩する必要がせまられています。こうしたことから、高血圧の改善には、食事での塩分摂取を減らすのが欠かせないのです。

ふだん、気にしない人が多いかもしれませんが、実は、主食や甘い物には隠し味として、塩分の含まれていることが少なくありません。パンやメン類には最初から塩分が練り込まれ、甘い菓子類や清涼飲料水にも少なからず塩分が含まれています。たとえば、ケーキなどは甘さをyりひきたてるために微量ですが、塩が入っています。

また、レトルト食品やインスタント食品には、大量のうまみ調味料が含まれています。このうまみ調味料は、正式にはグルタミン酸と水酸化ナトリウムを反応させて作った物質です。つまり、うまみ調味料にはナトリウムが含まれており、血圧上昇の原因となるのです。

糖質制限食の実行に当たっては、主食や甘い物、レトルト食品は極力さけることになります。そのため、自然に塩分の摂取量を減らせ、高血圧の改善に役立つのです。

減塩メニューを考える

だからといって、糖質制限食の調理のさいに、食塩やみそ、しょうゆなどの調味料を多く使ったなら意味はありません。高血圧に悩む人は、しょうゆやみそなどの塩分の多い調味料を少しずつ減らし、減塩することも心がけるようにします。そうすれば、糖質制限食の降圧効果は最大になります。

そのために積極的に利用してもらいたいのが、酢です。酢を使えば、酸味によって塩けが少なくてもおいしい味つけが楽しめます。そのほか、レモン汁やショウガ、スパイスなどをうまく活用するのもおすすめです。このように、味つけに工夫して、減塩を心がけた糖質制限食のメニューを考えてみましょう。
黒酢で健康パワーアップ

なお、高血圧が気になる人は、ハムやソーセージ、かまぼこなどの加工食品を選ぶとき、栄養成分の表示を見て、塩分(ナトリウム)の含有量を確かめることも大切です。

糖質制限食は、糖尿病だけでなく、高血圧、脂肪肝、脂質異常を改善し、ひいてはメタボの予防や改善にも役立つ、中高年の理想の食事法といえるのです。健康診断の結果に悩んでいる人は、即、行動あるのみです。
糖質制限食は3食やるのが理想だが朝、夕の2食でも効果大

脂肪肝で上昇したγ-GTPなどの肝機能が糖質制限食で気に低下

糖質が原因の脂肪肝は肝炎さえ招く

脂肪肝は、肝臓に中性脂肪が過剰にたまりフォアグラのようになる病気で、一般に、食べすぎやアルコール類の飲みすぎによるものです。

そんな脂肪肝の発症にも糖質の過剰摂取が深く関係しています。エネルギーとして使われなかった糖質が肝臓で中性脂肪に作り替えられると中性脂肪が肝臓に大量に蓄積され脂肪肝になってしまうのです。

脂肪肝になると、健康診断では、肝機能を示すγ-GTPやGPT、GOTの値が上昇します。

脂肪肝は、かつては放置しても大きな影響はないといわれていました。ところが近年、NASH(非アルコール性脂肪性肝炎) が知られるようになり、危険視されるようになっています。

以前まで肝炎は、アルコールのとりすぎかウィルス(細菌よりも小さな微生物) が原因で起こると考えられていました。NASHは、肝臓に蓄積された中性脂肪が原因で肝臓に強い炎症が起こる病気で、悪化すると肝硬変や肝臓ガンにまで進んでしまいます。このNASH は、脂肪肝が進行することで起こると考えられているのです。

体重・中性脂肪値・肝機能が1ヶ月で改善した(実際の体験)

糖質制限食を実践すれば、インスリンの分泌が最小限になり、肝臓の中性脂肪も速やかに減るため、脂肪肝も改善するでしょう。

実際に、肥満と高中性脂肪、脂肪肝を併発していた方は、主治医の内科医にすすめられ、糖質制限食を実行しました。すると約1ヶ月で、体重は102キロから96キロに減少し、中性脂肪値は288ミリ94ミリに改善。肝機能値のγ-GTPは140から64、GOTは87から50、GPTでは146から122と、大幅に低下したのです。

脂肪肝の予防や改善には、食事をとるタイミングも重要です。就寝中は、消化管の吸収が活発になり、肝臓でのコレステロールや中性脂肪の合成も盛んになります。そのため、脂肪肝の改善のために気をつけたいのは、就寝前の2時間は飲食を控えてください。

なお、すでに肝硬変を起こしている人は、肝臓での糖の合成(糖新生という)ができなくなっているため、糖質制限食は行えないので注意しましょう。
脂肪肝、肝炎、肝硬変を追放するのは「強肝草エキス」

糖質制限食で善玉コレステロールを増やす

善玉を増やすことで心臓病、そしてガンのリスクも軽減できる

脂質異常の原因となるのは、高中性脂肪のほかには高コレステロールがあります。

そもそも、コレステロールは、細胞膜やホルモンの材料になるなど、人が生きていくうえで必須です。しかし、コレステロールが異常に増えると、問題が起きます。

コレステロールには、主にLDLとHDLの2種類があります。LDLは、動脈硬化をすすめる、悪玉コレステロールと言われていますが厳密には違います。LDLは体の抹消組織や細胞膜などコレステロールを必要とするところへ運搬する大切な役目を果たしています。

ところが、LDLが血液中で過剰に滞って酸化すると、血管の内皮細胞にコレステロールを蓄積させて動脈硬化を起こす真の悪玉になってしまうのです。つまり、本当に注意すべきは、酸化したLDLです。

なお、LDLの中でも酸化しやすいのは小粒子LDL(小型で高比重のLDL)と呼ばれるものです。

一方、HDLは、末梢組織や血液中にだぶついたコレステロールを回収して肝臓に運ぶ掃除屋の役目を果たして、「善玉コレステロール」といわれています。また、HDLの数値が高いでは、心筋梗塞の危険が2分の1から3分の1になるだけでなく、ガンの発症率も大幅に低くなることがわかっています。

こうしたことからLDLの数値(基準値は140mg/dl未満)が高い人はHDLの値を高めることが必要です。

善玉も40mg/dl上昇

このような治療が必要な高コレステロールによく効くのが、糖質制限食です。糖質制限食にすれば、ほとんどの人にHDLの値の上昇が見られます。実際、糖質制限食を実行したところ、行う前は69mg/dlだったHDLの値が99mg/dlまで上昇しました。

一般の病医院では、HDLを上昇させるため一般の病医院では、スタチン系の薬が用いられますが、HDLの値を1割程度しか上げる効果がありません。糖質制限食の効果は、こうした薬よりもはるかに優れているともいえるでしよう。
糖尿病の治療に使われる薬についてはこちら

なお、LDLについては、当初、低下する人も上昇する人もいますが、半年から1年で基準値内に落ち着いてきます。

HDLの値を上昇させるには、速歩も有効です。食後に1日30分くらいから始めて、少しずつ速度を上げ、距離を伸ばしてください。糖質制限食と併せて食後の速歩も行えば、コレステロール値の改善効果はさらにアップします。

HDL上昇には速歩が効果的

速歩は、食後に1日30分くらいから始め、少しずつ速度を上げ、距離を伸ばしていくといいでしょう。糖質制限食と併せて行えば、コレステロール値の改善効果は最大になる。

糖質制限食で体脂肪がしっかり減り検査値が一気に改善、高中性脂肪には高い効果

中性脂肪の高値は糖質の摂りすぎが原因

糖質制限食は、米、パンなどの主食やイモ類、果物などの糖質の多い食べ物を減らし、肉や魚、豆類のたんばく質や脂質を主体とする食事法です糖尿病の方で血糖のコントロールに手を焼いている人に糖質制限食の食事をはじめてから、高い血糖値が下がり、そのまま安定し、糖尿病を克服できた人がたくさんいます。

そんな糖質制限食の効果は、糖尿病だけにはとどまりません。中高年になると、高血圧、高中性脂肪、高コレステロール、脂肪肝など、会社や地域で行う健康診断の結果に異常が散見されるようになります。実は、糖質制限食を行うと、体内の余分な糖や脂肪が減っていき、このような健康診断の結果も軒並み改善しています。

糖質制限を行うと、真っ先に改善するのが高中性脂肪です。高中性脂肪は、血液中の中性脂肪が異常に多いドロドロ血液の状態で中性脂肪が150mg/dl以上になる状態です。

高中性脂肪の人は、肥満や高血糖の傾向があり、メタポリッタシンドロームと診断される人も多いものです。しかも、動脈硬化に直結しやすく、脳卒中や心筋梗塞の危険を高めるため、その数値を下げることの重要性は言うまでもありません。

一般に、中性脂肪は、脂質から作られるというイメージが強く、肉や油の多い高カロリー・高脂肪の食生活が原因です。しかし、最近は、高中性脂肪は、糖質のとりすぎが原因なのです。

中性脂肪を消費させる酵素の働きが衰える

通常、食事から摂った糖質は、すい臓から分泌されるインスリンによって、筋肉でエネルギーとして消費されたり、肝臓でグリコーゲンとして貯蔵されたりします。

ところが、糖質をとりすぎると、インスリンが過剰に分泌され、エネルギーとして消費されなかった糖質が中性脂肪に変わり、皮下脂肪や内臓脂肪として体内に蓄積されます。

こうして中性脂肪を蓄積するのは、飢餓状態などのエネルギー不足に備えるためにです。しかし、現代のような食べ物に困ることのない飽食の時代では、中性脂肪の消費は滞ってしまいます。

しかも、内臓脂肪が増えると、インスリン抵抗性が生じて中性脂肪の消費を促すリボたんばくリパーゼという酵素の働きが低下してしまいます。そうなると、中性脂肪が筋肉細胞に取り込まれにくくなり、血液中にだぶついて中性脂肪値が上昇してしまうのです。

1~2ヶ月やればほとんどの糖尿病の人が改善または変化がでる

そこで、高中性脂肪の改善に優れた効果を発揮するのが糖質制限食です。

糖質制限食は、中性脂肪の材料となる糖質を控える食事法なので、内臓脂肪や皮下脂肪がぐんと減っていきます。

また、インスリンの分泌量が最小限になってインスリン抵抗性も改善するので、リボたんばくリパーゼの働きが活発になり、中性脂肪が速やかに筋肉細胞に取り込まれるようになります。その結果、血液中の中性脂肪も劇的に減少し、高中性脂肪が改善していくのです。

糖質制限食を行うと、個人差はありますが、1~2ヶ月ほどで中性脂肪値が低下していきます。

特に、朝・昼・晩の3食とも糖質を抜く糖質制限食を行っている人は、ほとんどの場合、中性脂肪値は100mg/dl以下に抑えられます。

現在、主流の血糖値を下げる治療は合併症を悪化させてしまうには、カロリー計算による血糖コントロールの盲点が紹介されています。

糖質制限食で中性脂肪が改善する仕組み(まとめ)

糖質をとりすぎると、エネルギーとして消費されなかった糖質が中性脂肪に変わり、皮下脂肪や内臓脂肪として体内に蓄積される。

すると、インスリン抵抗性が生じてリボたんばくリパーゼという酵素の働きが低下し中性脂肪が筋肉細胞に取り込まれにくくなり、高中性脂肪を招く。

そこで糖質制限食を行うと、体内で中性脂肪が作られなくなり、内臓脂肪や皮下脂肪がぐんと減る。その結果、インスリン抵抗性が改善してリボたんばくリパーゼの働きが活発になり、中性脂肪が速やかに筋肉細胞に取り込まれるようになる。こうして、血液中の中性脂肪が劇的に減少し、高中性脂肪が改善する。