血糖値の管理が順調でも食品からAGEを摂れば体内に蓄積され腎症の原因に

糖尿病腎症が悪化して腎不全になり透析が必要になってしまうと5年生存率半分以下

糖尿病合併症はどれも、悪化すれば生活の質が低下してしまう怖い病気ばかりですが、生命にかかわるという点で最も警戒が必要なのは腎症でしょう。

腎臓は、血液をろ過して尿の原料を作る器官です。血液をろ過する部分は非常に細い血管の塊(糸球体)でできていて、血液中の不要な水分や老廃物を振り分けます。糖尿病の発症から5年ほど高血糖の状態を放置すると、腎臓のろ過機能が低下して、アルブミンというたんばく質が尿に混じって出てきます。

糖尿病患者さんの約20%に尿中たんばく質が見られます。さらに悪化して腎不全にまで進むと、体にたまった老廃物を排泄できなくなります。
この段階になると尿毒症を起こし、体のむくみやだるさ、血圧の上昇といった症状が現れ、最終的には人工透析が必要になります。人工透析は1回の治療時間が4~5四時間前後と長いため、仕事や日常生活に大きな支障をきたし、生活の質が著しく低下します。
そればかりか糖尿病腎症で人工透析を始めた場合、5年後まで生存している確率は半分以下と、極めて低いのです。こうした糖尿病腎症の元凶ともいえるのがAGEなのです。AGEが糖尿病腎症を引き起こすしくみは次のとおりです。

AGEを異物と認識した白血球はAGEを攻撃するさいに腎臓も破壊してしまう

高血糖の状態が続くとAGEが大量に作られ、血管などを構成しているたんばく質に取りついて組織を被壊しはじめます。コラーゲン分子は、通常なら生理的架橋という正しい結びつきで弾力性を持っていますが、AGEの影響によって異常な架橋構造となり硬くなってきます。

腎臓の中の細い血管は、特にAGEによるダメージを受けやすく、炎症を起こしたり、硬くなって弾力性を失ったりします。すると血液の流れが滞り、順調にろ過されなくなります。

一方では、体の免疫力を担う白血球がAGEを異物として認識し、攻撃を始めます。白血球の一種であるマクロファージが登場し、AGEを食べることで排除しようとするのです。このとき、マクロファージは、AGEだけでなくコラーゲンまでいっしょに食べてしまいます。
すると、新たなコラーゲンを作り出すために、増殖因子という物質が生まれます。増殖因子によってコラーゲンが過剰に作られきています。

糖尿病腎症をはじめとする合併症を防ぐうえで、糖尿病発症直後からの厳しい血糖コントロールが欠かせません。しかし、血糖値の管理が順調にいったとしても、食品からAGEをとりつづけていたのでは、体内にAGEが蓄積してしまいます。糖尿病で治療中の人はもとより、血糖値が高くなりがちな中高年の人ほど、体にAGEをためないような食生活に切り替え、合併症の予防に努めなければ大変なことになります。医師から「糖尿病予備群(軍)」と指摘されている人は、特にAGEを摂取しない配慮が必要でしょう。

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