夏に多く発生するむずむず脚症候群が不眠の原因に

夕方~夜にかけて症状が悪化する

むずむず脚症候群とは、どんな病気なのでしょうか。むずむず脚症候群は、欧州では17世紀から知られている病気ですが、日本ではごくごく少数でした。名前も聞いたことがない人も多いかもしれません。

ところが近年、日本でも、むずむず脚症候群に悩まされる人が急増しているのです。最近の調査では、日本人の2~5% がむずむず脚症候群にかかり、患者数は推計で130~200万人にのぽることが明らかになりました。

女性は男性の約1.5倍発症しやすく、40代以降に増加し、最も多いのは60~70代という調査結果もあります。
また、鉄分の欠乏による貧血の人や、糖尿病の初期段階にある人は、むずむず脚症候群を発症しやすいとされています。貧血の予防と治療はこちら。

さらに、慢性の腎臓病で人工透析を受けている人では、約28%にむずむず脚症候群が見られます。むずむず脚症候群は、夕方から夜にかけて、じっと座っているときや横になっているとき、足のひざから下の部分に蟻走感が現れたり、強まったりするのが一番の特徴です。

また、梅雨時から夏場にかけて、症状が悪化する人も少なくありません。これは、気温の上昇によって血管が拡張するためと考えられます。当然、冬期間でも発症します。
症状については、

  • ふくらはぎを小虫がはいまわるようなむずがゆさ
  • 電気が流れているようなビリビリ感
  • ジンジンとしたしびれ感
  • 針でつつくようなチクチク感

また、「かきむしりたくなる」「足がほてる」と訴える方もいます。むずむず脚症候群は、一般に広く知られた病気ではありません。そのため、夏は虫さされ・あせも・じんましんなどと、冬は座骨神経痛や皮膚の乾燥などと問違われることもあります。

しかし、むずむず脚症候群の場合、皮膚の素面ではなく奥のほうに症状を感じます。さらに、症状が起こると「足を動かしたい」という強い欲求にかられるのも、むずむず脚症候群の特徴です。むずむず脚症候群が始まると、夜、床に就いてもなかなか寝つけなかうたり、何度も日が覚めたりします。
睡眠中も、寝返りを頻繁にくり返したり、物を蹴飛ばすように足先やひざが跳ね上がったり、数秒間のけいれんが断続的に起こったりします。そのため、睡眠時問をたっぷり取っても寝不足な感じが抜けず、昼問も疲労感や足のだるさが残ってしまうのです。

鉄分やビタミンB群が必要

むずむず脚症候群の原図は、まだはっきりとは解明されていません。今のところ、脳内のドーパミンという神経伝達物質がかかわっているという説が有力です。

ドーパミンには、運動や感覚をつかさどる神経の興奮を抑える働きがあります。ドーバミンは鉄を媒介として生成されるため、鉄が欠乏するとドーパミンの合成ができなくなって、脳内でドーパミン不足が起こります。その結果、運動や感覚をつかさどる神経が異常に興背し、むずむず脚症候群が発症すると考えられているのです。むずむず脚症候群は、同じ家系の人に多発することから、遺伝も疑われています。

また、パーキンソン病、妊娠、葉酸(ビタミンB群の一種)の不足、抗うつ薬の副作用なども、むずむず脚症候群の原因になると考えられています。実際に、パーキンソン病の治療薬を飲んで、足のムズムズ感が解消した例が報告されています。

しかし、むしろこうした病気や薬の副作用、遺伝・妊娠などに当てはまらない人のほうが多いと考えられます。そうした人のムズムズ感や不眠は、睡眠導入剤を服用しても彗Hされません。だからといって、むずむず脚症候群を放置すれば、夜間ばかりか昼問も症状が起こったり、足以外の部位にまで、ムズムズ感が広がったりします。

むずむず脚症候群が悪化したせいで、職場で早退・欠勤をくり返す患者さんも少なくありません。現在では治療薬も問発されているので、症状がひどい場合は病院を受診するのが賢明です。その場合、睡眠専門医、あるいは神経内科医を受診してください。

自分でできる対処法としては、食事では、鉄分を多く含むレバー・赤身の肉・ホウレンソウ・ブロッコリーなどを模極的にとり、ビタミンB群や、血流を促すビタミンEも補給するといいでしょう。逆に、カフェイン、アルコールのとりすぎや喫煙は、症状を悪化させるので、控えるようにしましょう。ウォーキングのような、軽い運動もおすすめです。ただし、激しすぎる運動は、かえって症状を悪化させるので、控えます。

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